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オーボエ / Oboe

オーボエ

「オーボエ / Oboe」
創作:2016.10. by Arisawa Yuga / 有澤悠河
用紙:手漉き美濃紙3匁+ホイル+メッキシート、44×44cm

昨年、楽器折り紙展をさせていただいた演奏会
今年も展示をさせていただくこととなりました。
これに向け、楽器を急ピッチで創作中です。

(創作の苦労談が長々と続きます。流し読みでどうぞ笑)



まず、このオーボエという楽器、
まぁとにかく複雑なのです。
クラリネットとは違って、キィがごちゃごちゃ。

昨年も創作にチャレンジしましたが、
この"複雑さをどう表現するか"という問題で
かなり苦戦した末、諦めたのでした。

案としては、
・管体に幾何的な模様のインサイドアウトをして、突き出ているキィのみ形で表現する
・銀色を表にして折って、黒で模様を入れる
・インサイドアウトを諦めて、形に専念する
・特徴的なキィは確実に折り出して、他はある程度のリアルさにとどめる
という感じ。

それぞれに良いとこ悪いとこがあり、どれも微妙だなぁというところ。。
今回は4つ目の案で何とか形にできました。
クラリネットもこれに近い方法だったので
同じ要領でいけるかと思いましたが、、、

クラリネットは紙の裏が、向かって左側に来ています。
背割れ腹割れ的な言い方だと、「左割れ」とでも言おうか。。笑
つまり、このやり方だとインサイドアウトをするときに
右から裏面を出そうとしても左から強引に持ってくるしかありません。
(実際、クラリネットはかなり無理をしました笑)
それなら、と楽器の裏側から紙を持ってくると、自由度は上がりますが
裏が銀色一色になってしまいます。
(裏から見ない前提にしてしまえば、これもアリですが。。)

こんな不自由な状態では複雑なキィを
ある程度のリアルさで折り出すことは難しいです。
そこで考えました。
銀一色になった裏面にフタをすればいいじゃないか。

これがまぁ見事に成功でした。
仕掛けの意外さ、面白さも大きく、
この作品の一番の特徴となりました。

オーボエオーボエ

(製作途中の写真です)
こんな感じで、ベルの先端でで真っ二つのV字型に折れる構造です。


狙い通り、裏面を黒くすることができました。

オーボエ

指かけやジョイント部のリングを
折り出すまでの余裕はありませんでした。
(忘れてたという説も。。。)


オーボエ

第一、第三オクターブキィは忘れずに折り出しました。
しかし、本折りが終わってから知ったのですが、
この2つのキィは上下に並んでるものが多いようで。。
これくらいは何とでもできたので、次折るときは修正したいですね笑


さて、次なる問題は高密度なキィ。
まず、大まかな構造は
先ほど話した言い方だと「右割れ」で作ることは決めていました。

右からの攻めは、"管体の3分の1刻みでカドの位置を調節する"という
面倒な方法を採りました。
クラリネットのように「大きいキィをいくつか」ではなく
「細かいキィをたくさん」折り出したかったのと、
ある程度正しい位置に配置したかったため。

左(裏)からの攻めは、右と同じ幅で沈めた(つまり等分数が3倍の)蛇腹で
細かいキィを折り出すことに。
幅はそろえる必要はなかったのですが、
試作のしやすさを考えて統一しました。

なぜ3分の1かというのは意味があって、
リードを真ん中から出したかったためです。

オーボエ

奇数等分だとキレイに出せます。
全体を3等分刻みにする案も、このリード部分から思いつきました。


そんなこんなでできた上管。

オーボエ


本折りで、ちょっと曲がってしまいました。笑
紙のサイズ不足と選択ミスにより、
予定していた細かい仕上げは断念しています。。

オーボエ

左手小指のキィはこだわっていて、5つあるのですが(たぶん)
すべて折り出し、形もある程度再現できました。
(写真ではすごく見づらいです。)
余っていた内部領域をフル活用できたのも満足(4つは内部カド)。

そして、下管。

オーボエ

左手小指で操作する3つのキィが案外小さくて残念な感じに…笑

下のほうは間に合わせた感満載で、改善の余地あり、といった感じですね。。
それにしても、試作段階ではもう少し正しい位置にタンポが並んでいたのですが。。
本折りの展開図折りで何かミスった疑惑。もしくはズレが酷いのか。


さてさて、最終的な展開図です。
オーボエCP

上辺が向かって右側、左辺が向かって左側です。
右下がオクターブキィで、フタをする部分です。

やけに複雑な四辺に比べて
これでもかと単純な内部が笑えますね。


オーボエ

この予測図を見ても出来上がりを見ても思うのですが、
少し管体が太かったですね。笑
まぁ、このくらいのほうが可愛い気がします。
イラストとかも、こういうバランスが多いし。笑

というわけで、何とか完成させられました。



コンベンションの少し前の頃から
ひたすら試作を繰り返す日々。
毎日楽器のカタログとにらめっこ。
(たまには他の作品にも取り掛かりましたが笑)

ここまでこだわって時間をかけたのは初めてだと思います。
まだ満足とは言えないですが、完成の時には
これまでにない達成感を味わえました。
しっかし、いざ客観的な視点で見てみると
思ったよりイマイチに見えてきてしまいます。。笑

それでも、この"創った"という気持ちは大事にしたいので、
今後もこれくらい強いこだわりを持って作品作りをしていきたいですね。


といいつつも、展示まで1ヶ月を切っています。
創りたい楽器は3つありますが、このペースだと1つもできないので…。

3つ全部、というのは諦めかけていますが、
1つでも2つでも時間いっぱい努力して
良い作品を作ろうと思います。

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有澤悠河 / Arisawa Yuga

Author:有澤悠河 / Arisawa Yuga
通称:ありさん
旧HN:おりゆーが
年齢:19歳
性別:男
住み:日本の真ん中付近
創作歴:7年くらい
有澤悠河

美濃手漉き和紙工房 Corsoyard

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